Interviews vol.5 オリンピック選手 塚越さくら|じてんしゃ王国「埼玉」特集|LOVE bicycle SAITAMA 公式サイト【ポタ日和】ポタリング(自転車散歩)でもっと楽しい埼玉ライフ

WORLD of SAITAMA じてんしゃ王国「埼玉」特集

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埼玉の自転車人を追いかける連載「WORLD of SAITAMA」。
第五回は、本県秩父市出身で、遠く離れた鹿児島の地を拠点に活躍するオリンピック選手の塚越さくら氏。
故郷秩父、そして自転車にかける想い、東京オリンピックを最後の目標に定めたアスリートの素顔に迫ります。

<プロフィール>

image1塚越さくら(つかごし さくら)
埼玉県秩父市出身
1991年4月13日生まれ県立熊谷女子高校卒業後、鹿谷体育大学で自転車競技を始める。同大大学院を経て現在は「CIEL BLEU KANOYAプロサイクリングチーム」に所属。2016リオデジャネイロオリンピック女子オムニアムに出場。同競技16位。

 

9月18日(日)第64回秩父宮杯埼玉県自転車道路競走大会が、秩父市内コースで開催されました。
大会には国内トップレベルの選手が集まり、一般男子の部から中学生の部まで9つの種別のレースを走りました。
大会表彰式でプレゼンターを務めたのは、リオデジャネイロオリンピック女子オムニアムに出場した秩父市出身の塚越さくら選手。
地元に凱旋した塚越選手をポタガールがインタビューしました。

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ポタガール小林さん(以下、小林):塚越選手、はじめまして。ポタガール小林玲香です。本日は、同じくポタガールの橋本弘子さんと栗原育美さんも同席させていただきます。よろしくお願いします!

塚越さくら選手(以下、塚越):よろしくお願いします。

小林:リオデジャネイロオリンピック、ものすごく盛り上がりましたね。まずは塚越選手が出場した種目であるオムニアムについて教えてください。

塚越:オムニアムは2日間で6種目※を走って総合ポイントを競う複合種目です。どの種目でもスピードが重視されていますので、ウェイトトレーニングが重要で。。。体重を増やせといわれます(笑)。
※スクラッチ、個人パシュート、エリミネイション、タイムトライアル、フライングラップ、ポイントレースの6種目

小林:オリンピックに出場した感想はいかがですか。

塚越:オリンピックではすごく緊張してしまい、思うように走ることができなくて、悔しい思いが残りました。でも、オリンピックに向けて一生懸命やってきた4か月間は凄く楽しくて、自転車だけに集中できる環境を作ってもらったことは、ありがたかったです。6、7年自転車競技をやってきて、久々に充実して楽しいと思える期間だったと思います。オリンピックに実際に出て、レースの雰囲気だとか、オリンピックに向けていく段階の良かったところ、悪かったところを実感できたので、それはしっかりと今後に活かしていきたいです。

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小林:オリンピックに出場することは本当にすごいことですよね。

塚越:自分がすごいとは全く思わないし、サインを書くときも「私のサインでいいの?」という感じで。。。(笑)自分と他の選手との差はありますね。メダルを取っている選手は本当にすごいと思うからこそ、自分はすごくないと思っています。でも、私がオリンピックに出たことで、「今年のオリンピックはすごく楽しめたよ」と、周りの方々が言ってくれたことは嬉しかったです。

小林:自転車競技を始めたきっかけは何ですか。

塚越:陸上をやっていた高校時代、目標だったインターハイに行けなくて、自分は陸上では上を目指せないと感じました。でも、世界で戦ってみたいという気持ちが残っていて。小学生の頃にトライアスロンの経験があるので、できるとしたら水泳か自転車かと考えて、自転車のほうが好きだったので、もう一度、自転車で挑戦したいと思いました。鹿谷体育大学が自転車で有名と知って、監督に手紙を出しました。

小林:陸上の経験が自転車に活かされていますか。

塚越:「よく、すんなりとオムニアムができたね」と言われるんですけど、陸上の七種競技をやっていたので、2日間で何種目もやることに抵抗がなかったから、すんなりとできたのだと思います。

小林:経験値が少ないところから、オリンピックに出られるようになるまでは、大変ではなかったですか。

塚越:鹿児島にポーンと1人で行ったので、何か形にしてからじゃないと簡単には辞められないと思っていました。つらいことも結構あったのですけど、夢や目標があったから、そこに向かって頑張れたのだと思います。大学の自転車部の雰囲気も楽しかったので、つらいことがあっても、部を辞めたいとは思わなかったですね。

小林:大学の自転車部に入ったときの気持ちは。

塚越:大学の自転車部に入部して、「え、こんなに強いの!?」と。先輩や同期を見て、次元が違うと感じました。世界で活躍したいと心から思っていましたけど、自分のレベルでは恥ずかしくて「世界」とか「オリンピック」という言葉は使わないようにしていました。でも、4年生の頃には力がついてきて、ナショナルチームにも入れたので、そこから世界を視野に入れ始めました。

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小林:自転車競技をやるなかで苦労したところはどんなところですか。

塚越:大学1年生の時には、やっても、やっても全然走れるようにならなくて、一生懸命やっているのに全然自分の成長が感じられなくて。その頃は、気持ちが切れて、泣いていたこともありました。「いつになったら走れるようになるんだろう、こんなにやってもなんで駄目なんだろう」って。
今思うと、その時は積み重ねの段階だったのかな。2年生に上がったら、冬のトレーニングの効果もあってか、タイムが一気に伸びたんですよ。そこから面白くなってきましたね。

小林:それでも頑張ってやってきたから今があるんですね。

塚越:指導してくれた先輩から「お前は強くなるから頑張りな」という言葉をいただいて「自分はできる」という気にさせてもらえた。そういうことを言ってくれた先輩が1年生の時にいたからこそ、目標を高く持ってやってこれたのだと思います。

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小林:塚越選手が思うオムニアムの魅力は何ですか。

塚越:今はロードレースが人気ですけど、私はトラックレースがメイン。トラックは室内なので天候にも左右されないし、観客もずっと選手を見ていられる。ロードレースにはないスピード感も楽しんでもらえるんじゃないかな。海外ではレースがイベントになっていて、みんな飲みながら食べながら観戦しているのが普通なので、そういった雰囲気は良いなって思います。日本でも気軽に楽しんで見てもらえるようになってくれればいいですね。

小林:日本は自転車の競技場も少ないですしね。

塚越:競技場、もっとできて欲しいですね。水泳教室やサッカー教室みたいに、子供達が学校を終わってから通うような、習い事として自転車を教えてくれる教室ができたらいいなと思います。海外では結構あるんですよ。

小林:自転車の人気は国内でも高まってきていますよね。

塚越:自転車も人気が出てきて、メジャースポーツになりつつあると思うので、自分も自転車競技の代表として良い結果を残して、見た人に「自分達も世界を目指そう」と思ってもらえるようになりたいです。人気のある競技って、日本人が世界で活躍していることで裾野が広がっていると思うので。世界で活躍して自転車競技の知名度を上げることで、自転車をやりたいという人を増やしていきたいです。

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小林:塚越選手のオリンピック出場が決まって地元、秩父市や埼玉県の人たちはとても盛り上がりましたが、どのように感じられましたか。

塚越:オリンピックが決まって、みんな盛り上がってくれました。改めて「オリンピックってすごいんだな」って(笑)。
小学校で講演をしたときに、子供達からメッセージカードを貰ったりして「頑張ってください」と言われたことは本当に嬉しかった。秩父出身の私がオリンピックに出たことで、「秩父からも行けるんだ」という気持ちになって、夢を抱いてもらえれば良いなって思っています。

小林:アスリートとして、秩父出身だからこそ培われたものはありますか。

塚越:小さい頃は、山登り、河原や滝にアウトドアに行っていました。自然の中で鍛えられて、身体能力が付いたのかな。楽しみながらも、自然と足腰が鍛えられていたのだと思います。

小林:主に鹿児島でトレーニングをされていると思いますが、埼玉で自転車に乗る時はどんなコースを走っていますか。

塚越:平坦なコースを走りたいときには、秩父から熊谷を抜けて上尾ぐらいまで。国道から河川沿いのサイクリングロードにいくか。山道だったらこのへん(秩父)ですね。定峰峠行って、白石峠を超えて、という感じです。
埼玉は自転車人口が多い県だから、取り組みもすごく進んでいると感じています。コンビニとかいろんなところに自転車ラックが置いてあるのはすごいと思います。

小林:地元に戻ったときには、どんなふうに過ごしていますか。

塚越:埼玉に帰ってくるのはオフの時なので、リラックスしに来るという感じです。その時には、みそポテトとかは絶対食べますね。ほかにも、かき氷を食べに行ったりだとか。秩父は心を休めに来る場所という位置付けです。

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小林:これからの抱負を聞かせてください。

塚越:あと4年は競技を続けるつもりでいて、東京オリンピックが最後の目標。そこに行くためにも、今回のオリンピックで経験したことを噛み締めています。4年は長いですけど、世界と戦えるようになるためには短いかもしれない。4年間でやることをしっかりと決めたので、それをコツコツと続けて、段々と結果を残して自信に繋げたうえで、東京オリンピックの舞台に立てたらと思っています。
でも、オリンピックは甘くはないと感じたので、東京に向けてどこまで成長できるのかなという不安もあります。覚悟を決めて4年間やらないと世界には届かないと思っています。今は休みをもらっているので、しっかりと反省して、振り返って、そして、今後4年間の覚悟を決めて進んで行きたいです。

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小林:具体的にはどのようなトレーニング積んでいく予定ですか。

塚越:スピードは今のところ持っているので、持久系のトレーニングをメインにしていきたいですね。オリンピック出場枠の争いはオリンピックの2年前から始まるので、来年の春には体重を増やして持久系を強化して、という感じで、2年間で体を作って臨んでいこうという話をしています。

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小林:気になっていたのですが、ネイルが凄くかわいいですね!
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塚越:自分はオシャレが好きだし、「バリバリの選手です!」みたいなのはあんまり好きじゃなくて。女性らしく、ネイルをしたりだとか、髪の毛を編んでもらったりだとか、そういったことも自分のキャラクターとすることで、子供達から愛されるような選手になりたいなと思っています。今まで自転車の選手でネイルをしたりする人はいなかったので。
最初の頃は弱いから、調子に乗っていると思われるので、ネイルとかやらなかったのですが(笑)。今ではネイルする後輩も増えましたね。

小林:これから自転車競技を始める人へのアドバイスをお願いします。

塚越:私が自転車競技を始めるのが遅かったこともありますが、誰でも高い目標を目指せる競技だと思っています。最初はきついことも多いけど、チャンスもある競技だと思うから、夢に向かって続けていって欲しいと思います。

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小林:そして最後に埼玉県民へのメッセージをお願いします。

塚越:オリンピックではたくさんの人に応援をいただいて力になったし、一生懸命走れたので、本当にありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。世界で活躍できるように頑張っていくので、これからも応援してもらえたらと思っています。そして、自転車競技を通じて勇気や感動を与えられる選手になりたいです。これからも秩父市出身ということで、埼玉の人たちにも貢献できるように頑張りたいと思います。

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小林:これからも全力で応援します!今日はありがとうございました。

塚越:ありがとうございました。

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