Interviews vol.4 ブリヂストンサイクル株式会社|じてんしゃ王国「埼玉」特集|LOVE bicycle SAITAMA 公式サイト【ポタ日和】ポタリング(自転車散歩)でもっと楽しい埼玉ライフ

WORLD of SAITAMA じてんしゃ王国「埼玉」特集

wos_bs


トップレベルのレースシーンで勝負するロードレーサーからシティサイクル、子供用自転車まで、あらゆる自転車を手掛ける世界的メーカー、ブリヂストンサイクル。その本拠地は、なんと埼玉県上尾市にあるのです。今回、ブリヂストンサイクルの心臓部とも言える上尾工場に、ポタガールが迫ります。

<プロフィール>
ブリヂストンサイクル株式会社

IMG_02581949年、日本タイヤ株式会社(現:株式会社ブリヂストン)より『ブリッヂストン自転車株式会社』として独立分社。
1960年には現在の本社となる上尾工場を設立し、1976年、現ブリヂストンサイクル株式会社に社名を変更。以来、幾つものエポックメイキングの開発と弛まぬユーザビリティの向上で、ライトユーザーからアスリートまで幅広くカバー。
日本国内の自転車シーンを最前線で牽引し続けるオピニオンリーダーである。中でも、1974年に発売されたセミオーダー可能なスポーツバイク『ロードマン』は、余りにも有名。

言わずと知れた国内自転車業界の最大手、ブリヂストンサイクル株式会社。埼玉県が「じてんしゃ王国」と言われる由縁のひとつには、間違いなく同社の本拠地がここにあることが関係している。今回、同社上尾工場にポタガールが潜入! 本格競技用自転車『アンカー』、そしてクロモリフレーム『ネオコット』製造の現場を中心に、ブリヂストンサイクル株式会社の奥の奥を取材してきました。
レポーターは、自身も愛車『アンカー』を駆る、ポタガールのchizuさんです!

こんにちは、ポタガールのchizuです。

先日、私たちポタガールは、日本人なら誰もが知ってる自転車業界の巨人、
ブリヂストンサイクル株式会社の本社・上尾工場にお伺いしてきました!
みなさんもご存知かと思いますが、本社はなんと、埼玉県上尾市!
じてんしゃ王国埼玉の広報担当を自認する、
私たちとしては、いつか製造の現場を見てみたいと思っていました。

私の愛車は、ブリヂストンサイクルの競技用シリーズ『アンカー』
他の誰よりもブリヂストンサイクルを愛する(?)存在として、潜入レポートを読者のみなさんにお届けします!

この日ブリヂストンサイクル株式会社の上尾工場を訪ねたのは、ポタガールの橋本さん、小島さん、栗原さん、EIKOさん、そして私chizuの計5人。

念願の工場見学ということで、ワクワクしながら上尾工場に到着すると、今回私たちを案内してくれる同社アンカーの広報担当、宮崎さんが笑顔でお出迎えしてくれました。

まずは、ブリヂストンサイクル株式会社、そして『アンカー』の歴史を説明していただきました。

f_IMG_0016

宮崎さん「ブリヂストンサイクルの歴史は、1949年に日本タイヤ株式会社(現:株式会社ブリヂストン)から独立分社したことから始まります。当時はブリッヂストン自転車株式会社という名前で創設し、現在の社名になったのは1976年から。上尾工場は1960年に開設され、今は本社としても機能しています。現在、加須市にある騎西工場と中国にも工場がある中で、ここは、主に電動アシスト自転車と『アンカー』シリーズの製造を行っているんです。」

IMG_0014

IMG_0019

ふむふむ。ブリヂストンサイクルは元々、日本タイヤ株式会社からのスタートだったんですね。そして、私も愛してやまない競技用フレーム『アンカー』シリーズ、そしてブリヂストンサイクルが誇るクロモリフレーム『ネオコット』のお話へ。

宮崎さん「ブリヂストンサイクルが1998年に市場に初投入された高級スポーツバイク、それが『アンカー』です。特徴はなんといっても、社内にある研究施設『アンカーラボ』で科学解析に基づいて弾き出された、独自のフレーム設計ですね。人間の感覚を数値化するということを目指した、他にはないフレーミング技術が自慢です。そして小柄な日本人の体型にフィットするよう研究してきました。その結果、身長145cmのライダーでも最適なポジションを実現できるフレームになっています。」

なるほど、日本人に合ったフレーム設計を科学的に研究されてるんですね。
私たち女性にとってもうれしいですね。

f_IMG_0013

宮崎さん「それともうひとつ上尾工場だけで製造しているものとして、『ネオコット』というクロモリフレームがあります。これは1992年に発表したオリジナルのクロモリフレームです。ネオコット(Neo-Cot)とは私たちが開発したフレーム形状の最適化理論のことでフレームのどの部分に力がかかっているのかを研究し、開発しました。なんとオリンピックにも2度出場*している、メイド・イン・ジャパンのクロモリフレームなんです!!今日はその製造工程も見ていただけるので、楽しみにしてくださいね。」
(✳︎1992年バルセロナ五輪・藤田晃三選手、2000年シドニー五輪・鈴木雷太選手)

IMG_0028

ありがとうございます! 楽しみにしています! 私たちポタガールもメモを取りながらお話しを聞きつつ、貴重な資料を食い入る様に見つめました。30分ほどの勉強会が終わると、次はいよいよ工場見学へ。これまでずっと憧れていたブリヂストンサイクルの心臓部に足を踏み入れる、夢の様な時間が遂に来たのです!

工場内での案内役を務めてくださったのは、笑顔が素敵な上尾工場製造課の大谷さん
いよいよ工場見学のスタート! 

IMG_0038

中に入るとまずは、『ネオコット』を支えるブリヂストンサイクルだけの特殊パイプ成型技術、『スピニングバテッド加工』『バルジ成型加工』のサンプルがお出迎え。

IMG_0059

大谷さん「スピニングバテッド加工、バルジ成型加工は、ネオコットのために開発された、ブリヂストンサイクルオリジナルのチューブ成型技術です。簡単に説明すると、スピニングバテッド加工は、回転させたパイプにロールを押し付けしごくようにして肉厚を変化させる、とても手間と時間を要する加工法です。バルジ成型加工は、金型にチューブをはめ込み、内側から油圧をかけることでチューブを成型する方法です。」

なるほど〜。と頷きつつも、この時点ではまだピンときていませんでした(笑)。しかしこの後、実際にその製造現場を見て、私たちはとても驚くことに。

IMG_0075

工場内へと足を踏み入れると、そこにはアンカーや電動アシスト自転車など、幾つものモデルの製造ラインが! 
その第一印象は、とにかく整理整頓がされていて、とてもキレイ! 
私たちが想像していた工場とは一線を画する清潔さと明るさに、とてもビックリしました。
そしてもうひとつ驚いたこと、それは、職人さんたちによる手作業がとても多い! 

IMG_0086

ブリヂストンサイクルほどの規模ともなれば、機械によるオートメーション化が当たり前と思っていたのですが、予想を遥かに上回る職人さんたちによる手作業と、その卓越した技術に感動! 
アンカーを愛車に選んだ自分に対しても感動してしまいました(笑)。

IMG_0253

そんな風にひとり感動していると、早くも今回の工場見学の大きな山場、『ネオコット』の『バルジ成型加工』のラインに到着。

IMG_0123

IMG_0131

大谷さん「先ほどもサンプルをご覧頂きましたが、バルジ成型は、金型にパイプをはめ込み、内部から超高圧の油圧を加えて、パイプを理想の形に成型します。トップチューブやヘッドチューブ、ダウンチューブなど、自転車フレームを構成する各部分ごとに異なる金型を使用し、すべてをコンピューター解析した上で最適な形状に成型しています。」

先ほどは完成した状態を見せて頂いたのでいまいちピンと来なかったのですが、
実際に成型の過程を見てようやく納得。

IMG_0120

これ……スゴい!!

さっきまで真っ直ぐだった丸断面のクロモリパイプが、魔法の金型から出てくると、しっかりとラグ(継ぎ手)ができているじゃありませんか!

IMG_0115

大谷さん「適材適所でベストの異型断面を導き出したチューブを組み合わせるネオコットクロモリフレームは、従来の技法に比べ、クロモリという素材の弾性・しなやかさを生かしつつ、最少の軽さと最大の強度を持たせることができるんです。複雑な形状になったパイプ同士を技術を持つ熟練した職人たちが1本1本溶接を行い、フレームへと仕上げていくハンドメイドなんです。パイプの加工から溶接まで上尾工場で行っているメイド・イン・ジャパンのクロモリフレーム、それがネオコットです。」

rnc7_eq_m

「それまで常識だったクロモリの正円断面(丸パイプ)を、様々な実験と科学的解析から異型断面にアレンジした、いわばクロモリフレームの革命。結果、一般的な正円断面のクロモリチューブに比べ、驚異的な進歩を達成したんです。」

IMG_0126

大谷さん「フレーム形状の最適化によって普通のクロモリフレームよりも快適な乗り心地を生み出します。」

こんなスゴい技術を目の当たりにして、私たちポタガールのテンションも一気にアップ! 「ネオコットのフレームが欲しい!」。そう思ったのは、きっと私だけではないはずです。

『ネオコット』フレームの心臓部『バルジ成型加工』の現場に感動した後は、私が愛してやまないブリヂストンサイクルの競技用シリーズ『アンカー』フレームの塗装現場に突入!

IMG_0150

IMG_0210

こちらもなんと、驚きの完全手作業! 私の『アンカー』もこんな風に職人さんの手によってお化粧されていたのかと思うと、愛車を一層愛おしく感じます。
細身のフレームが1つづつ塗装され並んでいるさまは、「美しい」の一言に尽きます。

IMG_0198

カラーオーダーもできるということなので、私もいつかは、chizuスペシャルカラーに挑戦しようと、強く心に誓ったのでした。

ちなみに、ユージさんの愛車『ユージ号』も、こちらでカラーオーダーによる塗装をされたそうです。

IMG_0166

IMG_0147

と、いったところで工場見学は終了。

この後耐久テストを行う「試験室」を見学する予定でしたが、一旦小休憩。
とはいえ、工場見学の興奮が抑えられない私たちポタガールは、休憩中にもかかわらず、応接室の入り口に展示してあるブリヂストンサイクルの数々のアーカイブでまた大盛り上がり。

IMG_0270

IMG_0275

宮崎さん「ここには、ブリヂストンサイクルがかつて製造していたオートバイや、セミオーダーバイクとして一世を風靡した自転車『ロードマン』、様々なデザインが揃う歴代のヘッドバッジなど、私たちの象徴的なアーカイブを展示しています。」

IMG_0278

その光景は、さながら小さな自転車博物館!
日本の自転車業界を牽引してきた、その歴史と伝統を改めて噛みしめるのでした。

IMG_0280

続いては実際に完成した自転車に課される耐久テストを行う検査室の見学に伺いました。事前の情報では、ブリヂストンサイクルは、JIS、BAA基準より厳しい独自の基準で耐久テストを行っているとか。果たしてどんな過酷な試験が待っているのか。

ご案内いただいた「試験課・畠山さん」は、電動アシスト自転車から、『アンカー』まで、ブリヂストンサイクルの様々な自転車の耐久テストを知り尽くしたスペシャリストです。

IMG_0325

耐久テストを行っている部屋に入るととても大きな音が響いていました。テストの苛酷さを物語る、けたたましい金属音。恐る恐る奥へと歩みを進めると、目の前にはローラー台に乗せられたシティサイクルが。

IMG_0293

畠山さん「これは、段差乗り越えの耐久性試験機です。ハンドル・サドル・ペダルの各部分に上から荷重をかけ、段差のあるローラーの上を時速15kmの速度で500km走行するシミュレーションを行って、段差のある道路を長距離走ることに耐えられるかテストしています。」

人が乗って走行する状態を作り出し、さらに段差まで作って500km!
今回はシティサイクルでテストされていましたが、ロードバイクでも同様のテストを行うそうです。
他にもこの試験室では、フレームにネジリの力をかけ続ける剛性耐久テストや、フロントフォークに重りを落とす耐衝撃テストなど、自転車に想定される様々な外的衝撃を再現し、耐久性をテストしています。

IMG_0307

IMG_0317

IMG_0329

さながらここは、自転車の鍛錬場。

その噂に違わぬ苛酷さに、自転車を愛する私たちポタガールも、ただただ見入るばかり。けれど、だからこそブリヂストンサイクルは国内のトップシェアでい続けることができるのだと、深く納得。これまで幾つもの苦しいシーンを共にしてきた私の愛車『アンカー』に、より強い信頼感を得ることができました。

やっぱり私、『アンカー』を選んで良かった!!

そんなこんなで幕を閉じた、私たちポタガールのブリヂストンサイクル上尾工場見学。帰りがけには、ポジショニングやメンテナンスのポイントなど、私たちポタガールが日ごろ抱いている疑問で宮崎さん(元ブリヂストンアンカー選手)を質問攻めにするという、突然の質疑応答タイムも発生。

IMG_0389

それでも嫌な顔ひとつせず、むしろとても丁寧かつ熱心に、プロの目線からのアドバイスをいただきました。最後まで、本当にありがとうございました!


 

今回、上尾工場にお伺いしたポタガールのみんなからも感想をもらいました。

橋本「製造工程や作業工程など、随所に日本人らしい工夫ときめ細やかさを感じました。そういった積み重ねが、安心と信頼に繋がるんですね。私もブリヂストンサイクルの自転車、特にネオコットが欲しくなりました!」

小島「私が初めて買った本格的なロードバイクは、何を隠そうアンカーでした。それより以前もブリヂストンサイクルの自転車には乗っていたことがあり、とてもキチンとしたモノを作るメーカーだとは思っていたのですが、今回はその信頼性を再認識しました。またいつか、アンカーに乗りたいですね」

栗原「工場ももちろんですが、初めて見た耐久テストに感動! 自転車に対する信頼感が増しました。そして何より、私の地元埼玉に、こんなに立派な自転車工場があることを誇りに思います!」

EIKO「以前、上尾に住んでいたことがあったのですが、その頃はブリヂストンサイクルの本社が上尾にあることを知りませんでした(笑)。ですが今回、ブリヂストンサイクルの自転車への思いや創業当時からの技術へのこだわりなど、様々なことを知ることができました。次に自転車を買うときは、是非アンカーを選びたいと思います!」

最後に私chizuが感じたこと。それは、ブリヂストンサイクルで働く方々の、自転車への深い愛情です。今の私のアンカーを誇りに思うと同時に、これからもずっとずっと大切に、乗り続けていきたいと思います。

以上、今回のブリヂストンサイクル上尾工場見学レポートを終わります!ポタガールchizuでした!
 

IMG_0352


 

<ご担当者さまからのメッセージ>

ブリヂストンサイクル株式会社 
アンカー販売部 アンカー販売促進課 宮崎 景涼さん

miyazaki本日は工場を見学していただきありがとうございます。
ご覧いただいた通り、ブリヂストンサイクルでは機械だけに頼らず、職人が手作業で一つ一つモノづくりを行っている部分が多くあります。普段皆さんが何気なく乗っていた自転車も、今回の工場見学をきっかけにより一層愛着を持っていただければと思います。
また、埼玉県は大規模自転車道の総延長が全国4位とサイクリングロードが整備されている県でもありますので、週末は埼玉県産の「アンカー」で気持ちよくサイクリングを楽しんでください。

 

ブリヂストンサイクル株式会社

http://www.bscycle.co.jp


 

RATIO&C

東京・外苑前の外苑西通りに、
ブリヂストンサイクルによるコンセプトストア〈RATIO&C〉(レシオ・アンドシー)がオープンしました。
このお店が提案しているのは“自転車のある素晴らしい生活”。
自転車だけではなく、毎日を楽しくしてくれそうなライフスタイルとともに提案しています。
http://ratio-c.jp


« WORLD of SAITAMA 記事一覧へ戻る

image012
POTAGIRL'S BLOG 2017.05.12
実業団レースレポート »

こんにちは。ポタガール橋本弘子です。 縁あって地元クラブチームに所属し今回実業団レースに参戦してきました。 実業団レースは登録チームのみが参加できるもので一般ライダーの私からしたらちょっと格式の高いレースなのです。 JB […]

image005
POTAGIRL'S BLOG 2017.04.21
「サイクるっとちちぶで
春の里山ポタリング&レトロ商店街めぐり」 »

こんにちは。 ポタガールのYukariです。 4月15日(土)に秩父をレンタサイクルでポタリングし、レトロ商店街を散策してきました! 今回はその模様をレポートしたいと思います。 秩父といえば、たくさんの峠があり、多くのサ […]

image001
POTAGIRL'S BLOG 2017.04.18
ときがわ町サイクルフェスタに参加してきました! »

4月2日に開催された、「ときがわ町サイクルフェスタ」に参加してきました小島智香がお伝えします。 このイベントでは自然あふれる里山を、本格的に峠に挑むコースからポタリングで楽しむコースがあり、皆が自然を楽しみながらライドを […]

image039
POTAGIRL'S BLOG 2017.04.11
行田ふれあいポタリング&ウォーキング2017 »

こんにちは、ポタガールの坂本郁子です! 3月25日㈯に、行田市で行われた「行田ふれあいポタリング&ウォーキング2017」に、いくみん、Reiさん、智香さんと参加してきました! 朝から快晴。風がちょっと冷たいけれど気持ちよ […]